シトロエン:XFV型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2946cc]

ここではシトロエンのX6XFV型・C6 [Excrusive|2008/01モデル] に搭載されているXFV型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

XFV型の自然吸気エンジン諸元


X6XFV型 C6
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-X6XFV型
車名&グレードC6
Excrusive
エンジン型式XFV
種類V型6気筒
排気量2946cc
内径×行程87.0mm×82.6mm
ボアストローク比0.95
単気筒容積491.0cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力215PS/6000rpm
最大トルク30.5kgm/3750rpm

まず基本的な成り立ちとして、XFV型エンジンはボア(内径)87.0mm、ストローク(行程)82.6mm、ボアストローク比0.95のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
XFVのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷159.7PS → 215PS
トルクの変遷30.5kgm → 25.7kgm
リッター馬力73.0PS/L
リッタートルク10.3kgm/L

今回の参考車両であるC6のV型6気筒2946ccでハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力215馬力を、6000回転のとき最大トルク30.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3750回転での馬力は159.7PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは25.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は73.0PS/L、トルクは10.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積491.0cc)あたりの馬力は35.8PS、トルクは5.1kgmです。

XFV型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 8 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
87.082.62946cc-0.95
ボアアップによる排気量拡大
87.582.62980cc-0.94
88.03014cc-0.94
88.53049cc-0.93
89.03083cc-0.93
89.53118cc-0.92
90.03153cc-0.92
ストロークアップによる排気量拡大
87.083.62982cc-0.96
84.63017cc-0.97
85.63053cc-0.98
86.63089cc-1.00
87.63124cc-1.01

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の87.0mmから0.5mm刻みで90.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の82.6mmから1mm刻みで87.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.95からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。XFV型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.95から0.92に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

XFV型エンジンのピストン径87.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが27件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
6B31型
87.6mm
[+0.6mm]
2987cc
[+41cc]
スバル
EJ18型
87.9mm
[+0.9mm]
3007cc
[+61cc]
スバル
EJ16型
87.9mm
[+0.9mm]
3007cc
[+61cc]
三菱
4B12型
88.0mm
[+1.0mm]
3014cc
[+68cc]
スズキ
H27A型
88.0mm
[+1.0mm]
3014cc
[+68cc]
レクサス
1LR型
88.0mm
[+1.0mm]
3014cc
[+68cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:CW6W型アウトランダーに搭載される6B31型2997ccの87.6mm、スバル:BD2型レガシィに搭載されるEJ18型1820ccの87.9mm、スバル:GF4型インプレッサ スポーツワゴンに搭載されるEJ16型1597ccの87.9mm、三菱:CW5W型アウトランダーに搭載される4B12型2359ccの88.0mm、スズキ:TD94W型エスクードに搭載されるH27A型2736ccの88.0mm、レクサス:LFA10型LFAに搭載される1LR型4805ccの88.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3750rpm
最高出力
6000rpm
82.6mm10.3m/s16.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s20km/h
4000rpm11.0m/s40km/h
6000rpm16.5m/s59km/h
8000rpm22.0m/s79km/h
10000rpm27.5m/s99km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが82.6mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは16.5m/sとなり、これは1秒間に16.5メートル(時速にすると59.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3750回転では10.3m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.9m/sとなっています。

参考までにストロークが82.6mmのXFV型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.50m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7260回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


XFV型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
シトロエン
X6XFV
2008/01
C6
Excrusive
[ABA-X6XFV]
215PS
30.5kgm
-
8.47kg/PS
自然吸気
FF/6AT
セダン
5人乗り

C6
[Excrusive]
2008/01モデル
車両型式ABA-X6XFV
最高出力215PS
最大トルク30.5kgm
パワーウェイト8.47kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

シトロエン製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】