シボレー:LFX型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 3562cc]

ここではシボレー・カマロ [LT-RS|2013/01モデル] に搭載されているLFX型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

LFX型の自然吸気エンジン諸元


カマロ
主要諸元と走行性能まとめ
車名&グレードカマロ
LT-RS
エンジン型式LFX
種類V型6気筒
排気量3562cc
内径×行程94.0mm×85.6mm
ボアストローク比0.91
単気筒容積594.0cc
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力327PS/6800rpm
最大トルク38.4kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、LFX型エンジンはボア(内径)94.0mm、ストローク(行程)85.6mm、ボアストローク比0.91のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにてLFX型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、2009/12から発売された5代目カマロ [2013/01]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
LFXのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷257.3PS → 327PS
トルクの変遷38.4kgm → 34.4kgm
リッター馬力91.8PS/L
リッタートルク10.8kgm/L

今回の参考車両であるカマロのV型6気筒3562ccでレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6800回転のとき最高出力327馬力を、6800回転のとき最大トルク38.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は257.3PS、最高出力が発生する6800回転でのトルクは34.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は91.8PS/L、トルクは10.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積594.0cc)あたりの馬力は54.5PS、トルクは6.4kgmです。

LFX型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 9 ]、換算トルクが[ 9 ]の「かなりの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
94.085.63562cc-0.91
ボアアップによる排気量拡大
94.585.63602cc-0.91
95.03640cc-0.90
95.53679cc-0.90
96.03717cc-0.89
96.53756cc-0.89
97.03795cc-0.88
ストロークアップによる排気量拡大
94.086.63606cc-0.92
87.63647cc-0.93
88.63689cc-0.94
89.63731cc-0.95
90.63772cc-0.96

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の94.0mmから0.5mm刻みで97.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の85.6mmから1mm刻みで90.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.91からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。LFX型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.91から0.88に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

LFX型エンジンのピストン径94.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
2TR型
95.0mm
[+1.0mm]
3640cc
[+78cc]
トヨタ
2TZ型
95.0mm
[+1.0mm]
3640cc
[+78cc]
トヨタ
3RZ型
95.0mm
[+1.0mm]
3640cc
[+78cc]
三菱
6G75型
95.0mm
[+1.0mm]
3640cc
[+78cc]
トヨタ
2RZ型
95.0mm
[+1.0mm]
3640cc
[+78cc]
日産
VQ35型
95.5mm
[+1.5mm]
3679cc
[+117cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:TRJ150W型ランドクルーザー プラドに搭載される2TR型2693ccの95.0mm、トヨタ:TCR20G型エスティマ エミーナ&ルシーダに搭載される2TZ型2438ccの95.0mm、トヨタ:RZN185W型ハイラックスサーフに搭載される3RZ型2693ccの95.0mm、三菱:V97W型パジェロに搭載される6G75型3827ccの95.0mm、トヨタ:RZH101G型ハイエースワゴンに搭載される2RZ型2438ccの95.0mm、日産:M35型ディグニティに搭載されるVQ35型3498ccの95.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 4000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 4000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 4000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 4000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [4000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [4000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6800rpm
85.6mm13.7m/s19.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.4m/s41km/h
6000rpm17.1m/s62km/h
8000rpm22.8m/s82km/h
10000rpm28.5m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが85.6mmのエンジンが最高出力を発生する6800回転での平均ピストンスピードは19.4m/sとなり、これは1秒間に19.4メートル(時速にすると69.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では13.7m/s、最高出力が発生する6800回転より500回転高い7300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.8m/sとなっています。

参考までにストロークが85.6mmのLFX型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.70m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7010回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


LFX型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
シボレー
-
2013/01
カマロ
Convertible
[型式不明]
327PS
38.4kgm
-
5.63kg/PS
自然吸気
FR/6AT
オープンカー
4人乗り

カマロ
[Convertible]
2013/01モデル
車両型式
最高出力327PS
最大トルク38.4kgm
パワーウェイト5.63kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員オープンカー/4人乗り

シボレー製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】