シボレー:K10A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 996cc]

ここではシボレーのME64S型・MW [BaseGrade|2001/01モデル] に搭載されているK10A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

K10A型の自然吸気エンジン諸元


ME64S型 MW
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-ME64S型
車名&グレードMW
BaseGrade
エンジン型式K10A
種類直列4気筒
排気量996cc
内径×行程68.0mm×68.6mm
ボアストローク比1.01
単気筒容積249.1cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力70PS/7000rpm
最大トルク9.7kgm/4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、K10A型エンジンはボア(内径)68.0mm、ストローク(行程)68.6mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
K10Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷60.9PS → 70PS
トルクの変遷9.7kgm → 7.2kgm
リッター馬力70.3PS/L
リッタートルク9.7kgm/L

今回の参考車両であるMWの直列4気筒996cc、圧縮比10.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7000回転のとき最高出力70馬力を、7000回転のとき最大トルク9.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4500回転での馬力は60.9PS、最高出力が発生する7000回転でのトルクは7.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は70.3PS/L、トルクは9.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積249.1cc)あたりの馬力は17.5PS、トルクは2.4kgmです。

K10A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
68.068.6996cc10.01.01
ボアアップによる排気量拡大
68.568.61011cc10.11.00
69.01026cc10.30.99
69.51041cc10.40.99
70.01056cc10.50.98
70.51071cc10.70.97
71.01086cc10.80.97
ストロークアップによる排気量拡大
68.069.61011cc10.11.02
70.61026cc10.21.04
71.61040cc10.41.05
72.61055cc10.51.07
73.61069cc10.61.08

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の68.0mmから0.5mm刻みで71.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の68.6mmから1mm刻みで73.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。K10A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

K10A型エンジンのピストン径68.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
1SZ型
69.0mm
[+1.0mm]
1026cc
[+30cc]
トヨタ
1KR型
71.0mm
[+3.0mm]
1086cc
[+90cc]
ホンダ
P07A型
71.0mm
[+3.0mm]
1086cc
[+90cc]
三菱
4G13型
71.0mm
[+3.0mm]
1086cc
[+90cc]
日産
CG13型
71.0mm
[+3.0mm]
1086cc
[+90cc]
マツダ
B3型
71.0mm
[+3.0mm]
1086cc
[+90cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:SCP10型ヴィッツに搭載される1SZ型997ccの69.0mm、トヨタ:M900F型ブーンに搭載される1KR型996ccの71.0mm、ホンダ:JB5型ライフに搭載されるP07A型658ccの71.0mm、三菱:CJ1A型ミラージュに搭載される4G13型1298ccの71.0mm、日産:Z10型キューブに搭載されるCG13型1274ccの71.0mm、マツダ:DW3W型ファミリアに搭載されるB3型1323ccの71.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4500rpm
最高出力
7000rpm
68.6mm10.3m/s16.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.6m/s17km/h
4000rpm9.1m/s33km/h
6000rpm13.7m/s49km/h
8000rpm18.3m/s66km/h
10000rpm22.9m/s82km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが68.6mmのエンジンが最高出力を発生する7000回転での平均ピストンスピードは16.0m/sとなり、これは1秒間に16.0メートル(時速にすると57.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4500回転では10.3m/s、最高出力が発生する7000回転より500回転高い7500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.1m/sとなっています。

参考までにストロークが68.6mmのK10A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.57m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8750回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


K10A型エンジンを搭載する車種の例

全1車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりK10A型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
シボレー
ME64S
2001/01
MW
BaseGrade
[GF-ME64S]
70PS
9.7kgm
19.6km/L
13.14kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ミニバン
5人乗り

MW
[BaseGrade]
2001/01モデル
車両型式GF-ME64S
最高出力70PS
最大トルク9.7kgm
10-15モード燃費19.6km/L
パワーウェイト13.14kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/5人乗り
K10A型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全15車種

その他のK10A型エンジン型式と代表的な車種

K10A型
全14車種
スズキ:ワゴンRプラス [XT]
最高出力100PS/最大トルク12.4kgm
1999/05モデル
スズキ
K10A型
全14車種
ワゴンRプラス
[XT]
100PS/12.4kgm

シボレー製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】