シボレー:4L型エンジンの諸元と性能まとめ [直列6気筒 4157cc]

ここではシボレーのT360G型・トレイルブレイザー [LT 5人乗り|2009/01モデル] に搭載されている4L型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4L型の自然吸気エンジン諸元


T360G型 トレイルブレイザー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-T360G型
車名&グレードトレイルブレイザー
LT 5人乗り
エンジン型式4L
種類直列6気筒
排気量4157cc
内径×行程93.0mm×102.0mm
ボアストローク比1.10
単気筒容積692.9cc
圧縮比10.3
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力295PS/6000rpm
最大トルク38.4kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、4L型エンジンはボア(内径)93.0mm、ストローク(行程)102.0mm、ボアストローク比1.10のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、4L型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2001/09から発売された初代トレイルブレイザー [T370L型|2006/01]、最も新しい車種は2001/09から発売された初代トレイルブレイザー [T360G型|2009/01]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4Lのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷257.3PS → 295PS
トルクの変遷38.4kgm → 35.2kgm
リッター馬力71.0PS/L
リッタートルク9.2kgm/L

今回の参考車両であるトレイルブレイザーの直列6気筒4157cc、圧縮比10.3でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力295馬力を、6000回転のとき最大トルク38.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は257.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは35.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は71.0PS/L、トルクは9.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積692.9cc)あたりの馬力は49.2PS、トルクは6.4kgmです。

4L型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
93.0102.04157cc10.31.10
ボアアップによる排気量拡大
93.5102.04202cc10.41.09
94.04247cc10.51.09
94.54292cc10.61.08
95.04338cc10.71.07
95.54384cc10.81.07
96.04430cc10.91.06
ストロークアップによる排気量拡大
93.0103.04198cc10.41.11
104.04239cc10.51.12
105.04279cc10.61.13
106.04320cc10.71.14
107.04361cc10.81.15

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の93.0mmから0.5mm刻みで96.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の102.0mmから1mm刻みで107.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。4L型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.10から1.06に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

4L型エンジンのピストン径93.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが20件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
2GR型
94.0mm
[+1.0mm]
4247cc
[+90cc]
レクサス
2UR型
94.0mm
[+1.0mm]
4247cc
[+90cc]
レクサス
1UR型
94.0mm
[+1.0mm]
4247cc
[+90cc]
スバル
FB25型
94.0mm
[+1.0mm]
4247cc
[+90cc]
トヨタ
1GR型
94.0mm
[+1.0mm]
4247cc
[+90cc]
トヨタ
2UZ型
94.0mm
[+1.0mm]
4247cc
[+90cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:GSU30W型マークXに搭載される2GR型3456ccの94.0mm、レクサス:UWG60型センチュリーに搭載される2UR型4968ccの94.0mm、レクサス:USF40型ランドクルーザーに搭載される1UR型4608ccの94.0mm、スバル:SK9型フォレスターに搭載されるFB25型2498ccの94.0mm、トヨタ:GSJ15W型FJクルーザーに搭載される1GR型3955ccの94.0mm、トヨタ:UZJ200W型ランドクルーザーに搭載される2UZ型4663ccの94.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 4500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 4500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 4500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 4500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [4500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [4500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6000rpm
102.0mm16.3m/s20.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.8m/s24km/h
4000rpm13.6m/s49km/h
6000rpm20.4m/s73km/h
8000rpm27.2m/s98km/h
10000rpm34.0m/s122km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが102.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは20.4m/sとなり、これは1秒間に20.4メートル(時速にすると73.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では16.3m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は22.1m/sとなっています。

参考までにストロークが102.0mmの4L型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.80m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、5880回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


4L型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
シボレー
T360G
2009/01
トレイルブレイザー
LT 5人乗り
[ABA-T360G]
295PS
38.4kgm
6.3km/L
7.15kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
SUV
5人乗り

トレイルブレイザー
[LT 5人乗り]
2009/01モデル
車両型式ABA-T360G
最高出力295PS
最大トルク38.4kgm
10-15モード燃費6.3km/L
パワーウェイト7.15kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
シボレー
T370L
2006/01
トレイルブレイザー
EXT-LT 7人乗り
[GH-T370L]
295PS
38.4kgm
6.1km/L
7.76kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
SUV
7人乗り

トレイルブレイザー
[EXT-LT 7人乗り]
2006/01モデル
車両型式GH-T370L
最高出力295PS
最大トルク38.4kgm
10-15モード燃費6.1km/L
パワーウェイト7.76kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/7人乗り

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【排気量順】