キャデラック:3G型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 3174cc]

ここではキャデラックのAD33G型・CTS [3.2L|2004/04モデル] に搭載されている3G型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

3G型の自然吸気エンジン諸元


AD33G型 CTS
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GH-AD33G型
車名&グレードCTS
3.2L
エンジン型式3G
種類V型6気筒
排気量3174cc
内径×行程87.5mm×88.0mm
ボアストローク比1.01
単気筒容積529.1cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力223PS/6000rpm
最大トルク30.4kgm/3400rpm

まず基本的な成り立ちとして、3G型エンジンはボア(内径)87.5mm、ストローク(行程)88.0mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
3Gのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷144.3PS → 223PS
トルクの変遷30.4kgm → 26.6kgm
リッター馬力70.3PS/L
リッタートルク9.6kgm/L

今回の参考車両であるCTSのV型6気筒3174cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力223馬力を、6000回転のとき最大トルク30.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3400回転での馬力は144.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは26.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は70.3PS/L、トルクは9.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積529.1cc)あたりの馬力は37.2PS、トルクは5.1kgmです。

3G型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
87.588.03174cc10.01.01
ボアアップによる排気量拡大
88.088.03211cc10.11.00
88.53248cc10.20.99
89.03285cc10.30.99
89.53322cc10.40.98
90.03359cc10.50.98
90.53396cc10.60.97
ストロークアップによる排気量拡大
87.589.03211cc10.11.02
90.03247cc10.21.03
91.03283cc10.31.04
92.03319cc10.41.05
93.03355cc10.51.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の87.5mmから0.5mm刻みで90.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の88.0mmから1mm刻みで93.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。3G型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

3G型エンジンのピストン径87.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが20件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
2AZ型
88.5mm
[+1.0mm]
3248cc
[+74cc]
日産
QR25型
89.0mm
[+1.5mm]
3285cc
[+111cc]
マツダ
PY型
89.0mm
[+1.5mm]
3285cc
[+111cc]
日産
QR20型
89.0mm
[+1.5mm]
3285cc
[+111cc]
日産
KA24型
89.0mm
[+1.5mm]
3285cc
[+111cc]
マツダ
L5型
89.0mm
[+1.5mm]
3285cc
[+111cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:ANH20W型エスティマ ハイブリッドに搭載される2AZ型2362ccの88.5mm、日産:WRP12型プリメーラ ワゴンに搭載されるQR25型2488ccの89.0mm、マツダ:KF5P型アテンザ ワゴンに搭載されるPY型2488ccの89.0mm、日産:TG10型ブルーバード シルフィに搭載されるQR20型1998ccの89.0mm、日産:JQGE25型ルネッサに搭載されるKA24型2388ccの89.0mm、マツダ:GH5FW型アテンザ スポーツワゴンに搭載されるL5型2488ccの89.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3400rpm
最高出力
6000rpm
88.0mm10.0m/s17.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21km/h
4000rpm11.7m/s42km/h
6000rpm17.6m/s63km/h
8000rpm23.5m/s85km/h
10000rpm29.3m/s105km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが88.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.6m/sとなり、これは1秒間に17.6メートル(時速にすると63.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3400回転では10.0m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.1m/sとなっています。

参考までにストロークが88.0mmの3G型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6820回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


3G型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
キャデラック
AD33G
2004/04
CTS
3.2L
[GH-AD33G]
223PS
30.4kgm
7.9km/L
7.35kg/PS
自然吸気
FR/5AT
セダン
5人乗り

CTS
[3.2L]
2004/04モデル
車両型式GH-AD33G
最高出力223PS
最大トルク30.4kgm
10-15モード燃費7.9km/L
パワーウェイト7.35kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

キャデラック製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】