BMW:N52B25A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列6気筒 2496cc]

ここではBMWのNU25型・5シリーズ セダン [525i N52B25A E60|2008/10モデル] に搭載されているN52B25A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

N52B25A型の自然吸気エンジン諸元


NU25型 5シリーズ セダン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-NU25型
車名&グレード5シリーズ セダン
525i N52B25A E60
エンジン型式N52B25A
種類直列6気筒
排気量2496cc
内径×行程82.0mm×78.8mm
ボアストローク比0.96
単気筒容積416.1cc
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力218PS/6500rpm
最大トルク25.5kgm/2750-4250rpm

まず基本的な成り立ちとして、N52B25型エンジンはボア(内径)82.0mm、ストローク(行程)78.8mm、ボアストローク比0.96のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、N52B25A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2003/08から発売された5代目5シリーズ セダン [NU25型|2008/10]、最も新しい車種は2009/05から発売された2代目Z4 [LM25型|2010/11]となっており、NA車は9車種、ターボ/SC車は0車種の全9車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
N52B25のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷97.9PS → 218PS
トルクの変遷25.5kgm → 24.0kgm
リッター馬力87.3PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両である5シリーズ セダンの直列6気筒2496cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6500回転のとき最高出力218馬力を、6500回転のとき最大トルク25.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2750回転での馬力は97.9PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは24.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は87.3PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積416.1cc)あたりの馬力は36.3PS、トルクは4.2kgmです。

N52B25型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 8 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、N52B25A型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはNU25型5シリーズ セダンの218PS/25.5kgm、最も小さかったのはBU25型Z4 ロードスターの177PS/23.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.078.82496cc11.00.96
ボアアップによる排気量拡大
82.578.82527cc11.10.96
83.02558cc11.20.95
83.52589cc11.40.94
84.02620cc11.50.94
84.52651cc11.60.93
85.02683cc11.70.93
ストロークアップによる排気量拡大
82.079.82528cc11.10.97
80.82560cc11.30.99
81.82592cc11.41.00
82.82624cc11.51.01
83.82655cc11.61.02

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.0mmから0.5mm刻みで85.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の78.8mmから1mm刻みで83.8mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.96からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。N52B25型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.96から0.93に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

N52B25型エンジンのピストン径82.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが35件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
J5型
82.7mm
[+0.7mm]
2540cc
[+44cc]
マツダ
FS型
83.0mm
[+1.0mm]
2558cc
[+62cc]
レクサス
4GR型
83.0mm
[+1.0mm]
2558cc
[+62cc]
マツダ
BP型
83.0mm
[+1.0mm]
2558cc
[+62cc]
マツダ
FP型
83.0mm
[+1.0mm]
2558cc
[+62cc]
トヨタ
7M型
83.0mm
[+1.0mm]
2558cc
[+62cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:SG5W型ボンゴ フレンディに搭載されるJ5型2494ccの82.7mm、マツダ:CPEW型プレマシーに搭載されるFS型1991ccの83.0mm、レクサス:GSE20型マークXに搭載される4GR型2499ccの83.0mm、マツダ:NB8C型ロードスターに搭載されるBP型1839ccの83.0mm、マツダ:BJ8W型ファミリア S-ワゴンに搭載されるFP型1839ccの83.0mm、トヨタ:MX83型クレスタに搭載される7M型2954ccの83.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2750rpm
最高出力
6500rpm
78.8mm7.2m/s17.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.3m/s19km/h
4000rpm10.5m/s38km/h
6000rpm15.8m/s57km/h
8000rpm21.0m/s76km/h
10000rpm26.3m/s95km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが78.8mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは17.1m/sとなり、これは1秒間に17.1メートル(時速にすると61.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2750回転では7.2m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.4m/sとなっています。

参考までにストロークが78.8mmのN52B25型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.25m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7610回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


N52B25A型エンジンを搭載する車種の例

全9車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりN52B25型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
BMW
NU25
2008/10
5シリーズ セダン
525i N52B25A E60
[ABA-NU25]
218PS
25.5kgm
8.8km/L
7.43kg/PS
自然吸気
FR/6AT
セダン
5人乗り

5シリーズ セダン
[525i N52B25A E60]
2008/10モデル
車両型式ABA-NU25
最高出力218PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費8.8km/L
パワーウェイト7.43kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
BMW
VB25
2008/12
3シリーズ セダン
325i N52B25A E90
[ABA-VB25]
218PS
25.5kgm
9.3km/L
6.93kg/PS
自然吸気
FR/6AT
セダン
5人乗り

3シリーズ セダン
[325i N52B25A E90]
2008/12モデル
車両型式ABA-VB25
最高出力218PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費9.3km/L
パワーウェイト6.93kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
BMW
VS25
2008/12
3シリーズ ツーリング
325i Touring N52B25A E91
[ABA-VS25]
218PS
25.5kgm
9.9km/L
7.25kg/PS
自然吸気
FR/6AT
ワゴン
5人乗り

3シリーズ ツーリング
[325i Touring N52B25A E91]
2008/12モデル
車両型式ABA-VS25
最高出力218PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費9.9km/L
パワーウェイト7.25kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
N52B25型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全9車種

BMW製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】