BMW:N43B16A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1599cc]

ここではBMWのUE16型・1シリーズ [116i N43B16A E87|2010/09モデル] に搭載されているN43B16A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

N43B16A型の自然吸気エンジン諸元


UE16型 1シリーズ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式LBA-UE16型
車名&グレード1シリーズ
116i N43B16A E87
エンジン型式N43B16A
種類直列4気筒
排気量1599cc
内径×行程82.0mm×75.7mm
ボアストローク比0.92
単気筒容積399.8cc
圧縮比11.7
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力122PS/6000rpm
最大トルク16.3kgm/4250rpm

まず基本的な成り立ちとして、N43B16型エンジンはボア(内径)82.0mm、ストローク(行程)75.7mm、ボアストローク比0.92のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
N43B16のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷96.7PS → 122PS
トルクの変遷16.3kgm → 14.6kgm
リッター馬力76.30PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両である1シリーズの直列4気筒1599cc、圧縮比11.7でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力122馬力を、6000回転のとき最大トルク16.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4250回転での馬力は96.7PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは14.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は76.30PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積399.8cc)あたりの馬力は30.5PS、トルクは4.1kgmです。

N43B16型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 8 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.075.71599cc11.70.92
ボアアップによる排気量拡大
82.575.71619cc11.80.92
83.01638cc12.00.91
83.51658cc12.10.91
84.01678cc12.20.90
84.51698cc12.40.90
85.01718cc12.50.89
ストロークアップによる排気量拡大
82.076.71620cc11.80.94
77.71641cc12.00.95
78.71662cc12.10.96
79.71684cc12.30.97
80.71705cc12.40.98

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.0mmから0.5mm刻みで85.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の75.7mmから1mm刻みで80.7mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.92からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。N43B16型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.92から0.89に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

N43B16型エンジンのピストン径82.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが35件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
J5型
82.7mm
[+0.7mm]
1626cc
[+27cc]
マツダ
FS型
83.0mm
[+1.0mm]
1638cc
[+39cc]
レクサス
4GR型
83.0mm
[+1.0mm]
1638cc
[+39cc]
マツダ
BP型
83.0mm
[+1.0mm]
1638cc
[+39cc]
マツダ
FP型
83.0mm
[+1.0mm]
1638cc
[+39cc]
トヨタ
7M型
83.0mm
[+1.0mm]
1638cc
[+39cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:SG5W型ボンゴ フレンディに搭載されるJ5型2494ccの82.7mm、マツダ:CPEW型プレマシーに搭載されるFS型1991ccの83.0mm、レクサス:GSE20型マークXに搭載される4GR型2499ccの83.0mm、マツダ:NB8C型ロードスターに搭載されるBP型1839ccの83.0mm、マツダ:BJ8W型ファミリア S-ワゴンに搭載されるFP型1839ccの83.0mm、トヨタ:MX83型クレスタに搭載される7M型2954ccの83.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4250rpm
最高出力
6000rpm
75.7mm10.7m/s15.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.0m/s18km/h
4000rpm10.1m/s36km/h
6000rpm15.1m/s54km/h
8000rpm20.2m/s73km/h
10000rpm25.2m/s91km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが75.7mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.1m/sとなり、これは1秒間に15.1メートル(時速にすると54.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4250回転では10.7m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.4m/sとなっています。

参考までにストロークが75.7mmのN43B16型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.05m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7930回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


N43B16A型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
BMW
UE16
2010/09
1シリーズ
116i N43B16A E87
[LBA-UE16]
122PS
16.3kgm
13.6km/L
11.393kg/PS
自然吸気
FR/6AT
ハッチバック
5人乗り
車両型式:LBA-UE16

1シリーズ
[116i N43B16A E87]
2010/09モデル
最高出力122PS
最大トルク16.3kgm
JC08モード燃費13.6km/L
10-15モード燃費14.2km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りハッチバック
FR/6AT

BMW製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】