BMW:N20B20A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1997cc]

ここではBMWのVM20型・X1 [XDrive-28i E84|2011/10モデル] に搭載されているN20B20A型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

N20B20A型のターボエンジン諸元


VM20型 X1
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-VM20型
車名&グレードX1
XDrive-28i E84
エンジン型式N20B20A
種類直列4気筒
排気量1997cc
内径×行程84.0mm×90.1mm
ボアストローク比1.07
単気筒容積499.3cc
圧縮比10.0
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力245PS/5000rpm
最大トルク35.7kgm/1250-4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、N20B20型エンジンはボア(内径)84.0mm、ストローク(行程)90.1mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、N20B20A型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2010/04から発売された初代X1 [VM20型|2011/10]、最も新しい車種は2013/11から発売された3代目X5 [2015/09]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は16車種の全16車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
N20B20のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷62.3PS → 245PS
トルクの変遷35.7kgm → 35.1kgm
リッター馬力122.7PS/L
リッタートルク17.9kgm/L

今回の参考車両であるX1の直列4気筒1997cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5000回転のとき最高出力245馬力を、5000回転のとき最大トルク35.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1250回転での馬力は62.3PS、最高出力が発生する5000回転でのトルクは35.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は122.7PS/L、トルクは17.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.3cc)あたりの馬力は61.2PS、トルクは8.9kgmです。

N20B20型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 8 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、N20B20A型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはVM20型X1の245PS/35.7kgm、最も小さかったのはVM20型X1の184PS/27.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.090.11997cc10.01.07
ボアアップによる排気量拡大
84.590.12021cc10.11.07
85.02045cc10.21.06
85.52069cc10.31.05
86.02093cc10.41.05
86.52118cc10.51.04
87.02142cc10.71.04
ストロークアップによる排気量拡大
84.091.12019cc10.11.08
92.12042cc10.21.10
93.12064cc10.31.11
94.12086cc10.41.12
95.12108cc10.51.13

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.0mmから0.5mm刻みで87.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の90.1mmから1mm刻みで95.1mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。N20B20型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.04に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

N20B20型エンジンのピストン径84.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが23件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G63型
85.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
日産
VQ25型
85.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
日産
RD28型
85.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
三菱
G63B型
85.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
レクサス
V35A型
85.5mm
[+1.5mm]
2069cc
[+72cc]
日産
SR20型
86.0mm
[+2.0mm]
2093cc
[+96cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:E33A型ギャランに搭載される4G63型1997ccの85.0mm、日産:NM35型ステージアに搭載されるVQ25型2495ccの85.0mm、日産:WYY61型サファリに搭載されるRD28型2825ccの85.0mm、三菱:P03W型デリカ スターワゴンに搭載されるG63B型1997ccの85.0mm、レクサス:VXFA50型LSに搭載されるV35A型3444ccの85.5mm、日産:PNT30型シルビアに搭載されるSR20型1998ccの86.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1250rpm
最高出力
5000rpm
90.1mm3.8m/s15.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s22km/h
4000rpm12.0m/s43km/h
6000rpm18.0m/s65km/h
8000rpm24.0m/s86km/h
10000rpm30.0m/s108km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが90.1mmのエンジンが最高出力を発生する5000回転での平均ピストンスピードは15.0m/sとなり、これは1秒間に15.0メートル(時速にすると54.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1250回転では3.8m/s、最高出力が発生する5000回転より500回転高い5500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.5m/sとなっています。

参考までにストロークが90.1mmのN20B20型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.00m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6660回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


N20B20A型エンジンを搭載する車種の例

全16車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりN20B20型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
BMW
VM20
2011/10
X1
XDrive-28i E84
[DBA-VM20]
245PS
35.7kgm
11.8km/L
6.860kg/PS
ターボ
4WD/8AT
SUV
5人乗り

X1
[XDrive-28i E84]
2011/10モデル
車両型式DBA-VM20
最高出力245PS
最大トルク35.7kgm
JC08モード燃費11.8km/L
10-15モード燃費12.2km/L
パワーウェイト6.860kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/8AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
BMW
XG28
2011/11
5シリーズ セダン
528i N20B20A F10
[DBA-XG28]
245PS
35.7kgm
13.6km/L
7.220kg/PS
ターボ
FR/8AT
セダン
5人乗り

5シリーズ セダン
[528i N20B20A F10]
2011/11モデル
車両型式DBA-XG28
最高出力245PS
最大トルク35.7kgm
JC08モード燃費13.6km/L
10-15モード燃費13.8km/L
パワーウェイト7.220kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FR/8AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
BMW
3A20
2012/01
3シリーズ セダン
328i F30
[DBA-3A20]
245PS
35.7kgm
15.2km/L
6.370kg/PS
ターボ
FR/8AT
セダン
5人乗り

3シリーズ セダン
[328i F30]
2012/01モデル
車両型式DBA-3A20
最高出力245PS
最大トルク35.7kgm
JC08モード燃費15.2km/L
10-15モード燃費15.6km/L
パワーウェイト6.370kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FR/8AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
N20B20型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全29車種

その他のN20B20型エンジン型式と代表的な車種

N20B20B型
全13車種
BMW:3シリーズ セダン [320i Sport F30]
最高出力184PS/最大トルク27.5kgm
2012/04モデル
BMW
N20B20B型
全13車種
3シリーズ セダン
[320i Sport F30]
184PS/27.5kgm

BMW製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】