BMW:M54B22型エンジンの諸元と性能まとめ [直列6気筒 2171cc]

ここではBMWのAV22型・3シリーズ セダン [320i M-sport 22-6S E46|2005/02モデル] に搭載されているM54B22型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

M54B22型の自然吸気エンジン諸元


AV22型 3シリーズ セダン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GH-AV22型
車名&グレード3シリーズ セダン
320i M-sport 22-6S E46
エンジン型式M54B22
種類直列6気筒
排気量2171cc
内径×行程80.0mm×72.0mm
ボアストローク比0.90
単気筒容積361.9cc
圧縮比10.8
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力170PS/6100rpm
最大トルク21.4kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、M54B22型エンジンはボア(内径)80.0mm、ストローク(行程)72.0mm、ボアストローク比0.90のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、M54B22型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1996/08から発売された初代Z3ロードスター [CN22型|2001/01]、最も新しい車種は2003/01から発売された初代Z4 ロードスター [BT22型|2005/09]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
M54B22のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷104.6PS → 170PS
トルクの変遷21.4kgm → 20.0kgm
リッター馬力78.3PS/L
リッタートルク9.9kgm/L

今回の参考車両である3シリーズ セダンの直列6気筒2171cc、圧縮比10.8でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6100回転のとき最高出力170馬力を、6100回転のとき最大トルク21.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は104.6PS、最高出力が発生する6100回転でのトルクは20.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は78.3PS/L、トルクは9.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積361.9cc)あたりの馬力は28.3PS、トルクは3.6kgmです。

M54B22型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 7 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
80.072.02171cc10.80.90
ボアアップによる排気量拡大
80.572.02199cc10.90.89
81.02226cc11.10.89
81.52254cc11.20.88
82.02281cc11.30.88
82.52309cc11.40.87
83.02337cc11.60.87
ストロークアップによる排気量拡大
80.073.02202cc10.90.91
74.02232cc11.10.93
75.02262cc11.20.94
76.02292cc11.40.95
77.02322cc11.50.96

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の80.0mmから0.5mm刻みで83.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の72.0mmから1mm刻みで77.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.90からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。M54B22型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.90から0.87に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

M54B22型エンジンのピストン径80.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが37件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G37型
80.6mm
[+0.6mm]
2204cc
[+33cc]
三菱
G37B型
80.6mm
[+0.6mm]
2204cc
[+33cc]
三菱
G62B型
80.6mm
[+0.6mm]
2204cc
[+33cc]
トヨタ
4A型
81.0mm
[+1.0mm]
2226cc
[+55cc]
三菱
4G93型
81.0mm
[+1.0mm]
2226cc
[+55cc]
三菱
4G92型
81.0mm
[+1.0mm]
2226cc
[+55cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:E37A型エテルナサヴァに搭載される4G37型1755ccの80.6mm、三菱:E12A型エテルナシグマに搭載されるG37B型1755ccの80.6mm、三菱:E13A型エテルナシグマに搭載されるG62B型1795ccの80.6mm、トヨタ:AE111型カローラ レビンに搭載される4A型1587ccの81.0mm、三菱:CD5W型リベロに搭載される4G93型1834ccの81.0mm、三菱:CA4A型ミラージュに搭載される4G92型1597ccの81.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6100rpm
72.0mm8.4m/s14.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.8m/s17km/h
4000rpm9.6m/s35km/h
6000rpm14.4m/s52km/h
8000rpm19.2m/s69km/h
10000rpm24.0m/s86km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが72.0mmのエンジンが最高出力を発生する6100回転での平均ピストンスピードは14.6m/sとなり、これは1秒間に14.6メートル(時速にすると52.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では8.4m/s、最高出力が発生する6100回転より500回転高い6600回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.8m/sとなっています。

参考までにストロークが72.0mmのM54B22型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.80m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8330回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


M54B22型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
BMW
AV22
2005/02
3シリーズ セダン
320i M-sport 22-6S E46
[GH-AV22]
170PS
21.4kgm
9.8km/L
8.47kg/PS
自然吸気
FR/5AT
セダン
5人乗り

3シリーズ セダン
[320i M-sport 22-6S E46]
2005/02モデル
車両型式GH-AV22
最高出力170PS
最大トルク21.4kgm
10-15モード燃費9.8km/L
パワーウェイト8.47kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
BMW
BT22
2005/09
Z4 ロードスター
2.2i E85
[GH-BT22]
170PS
21.4kgm
9.5km/L
8.12kg/PS
自然吸気
FR/5AT
オープンカー
2人乗り

Z4 ロードスター
[2.2i E85]
2005/09モデル
車両型式GH-BT22
最高出力170PS
最大トルク21.4kgm
10-15モード燃費9.5km/L
パワーウェイト8.12kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5AT
車体形状&乗車定員オープンカー/2人乗り
BMW
CN22
2001/01
Z3ロードスター
2.2i E36/7
[GH-CN22]
170PS
21.4kgm
10.4km/L
7.71kg/PS
自然吸気
FR/5MT
オープンカー
2人乗り

Z3ロードスター
[2.2i E36/7]
2001/01モデル
車両型式GH-CN22
最高出力170PS
最大トルク21.4kgm
10-15モード燃費10.4km/L
パワーウェイト7.71kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5MT
車体形状&乗車定員オープンカー/2人乗り
BMW
CN22
2001/01
Z3ロードスター
2.2i E36/7
[GH-CN22]
170PS
21.4kgm
9.4km/L
7.94kg/PS
自然吸気
FR/5AT
オープンカー
2人乗り

Z3ロードスター
[2.2i E36/7]
2001/01モデル
車両型式GH-CN22
最高出力170PS
最大トルク21.4kgm
10-15モード燃費9.4km/L
パワーウェイト7.94kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5AT
車体形状&乗車定員オープンカー/2人乗り

BMW製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】