BMW:B47D20B型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1995cc]

ここではBMWのVJ20型・X4 [xDrive20d G02|2020/06モデル] に搭載されているB47D20B型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

B47D20B型のターボエンジン諸元


VJ20型 X4
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式3DA-VJ20型
車名&グレードX4
xDrive20d G02
エンジン型式B47D20B
種類直列4気筒
排気量1995cc
内径×行程84.0mm×90.0mm
ボアストローク比1.07
単気筒容積498.7cc
吸気方式ターボ
使用燃料ディーゼル
最高出力190PS/4000rpm
最大トルク40.8kgm/2500rpm

まず基本的な成り立ちとして、B47D20型エンジンはボア(内径)84.0mm、ストローク(行程)90.0mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、B47D20B型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2011/02から発売された3代目6シリーズ グランツーリスモ [JX20型|2019/07]、最も新しい車種は2017/02から発売された7代目5シリーズ ツーリング [JP20型|2021/04]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は7車種の全7車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
B47D20のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷142.4PS → 190PS
トルクの変遷40.8kgm → 34.0kgm
リッター馬力95.24PS/L
リッタートルク20.4kgm/L

今回の参考車両であるX4の直列4気筒1995ccでディーゼル仕様のターボエンジンは、4000回転のとき最高出力190馬力を、4000回転のとき最大トルク40.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2500回転での馬力は142.4PS、最高出力が発生する4000回転でのトルクは34.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は95.24PS/L、トルクは20.4kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積498.7cc)あたりの馬力は47.5PS、トルクは10.2kgmです。

B47D20型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 10 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.090.01995cc-1.07
ボアアップによる排気量拡大
84.590.02019cc-1.07
85.02043cc-1.06
85.52067cc-1.05
86.02091cc-1.05
86.52115cc-1.04
87.02140cc-1.03
ストロークアップによる排気量拡大
84.091.02017cc-1.08
92.02039cc-1.10
93.02061cc-1.11
94.02084cc-1.12
95.02106cc-1.13

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.0mmから0.5mm刻みで87.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の90.0mmから1mm刻みで95.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。B47D20型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.03に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

B47D20型エンジンのピストン径84.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが25件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G63型
85.0mm
[+1.0mm]
2043cc
[+48cc]
日産
VQ25型
85.0mm
[+1.0mm]
2043cc
[+48cc]
日産
RD28型
85.0mm
[+1.0mm]
2043cc
[+48cc]
三菱
G63B型
85.0mm
[+1.0mm]
2043cc
[+48cc]
レクサス
V35A型
85.5mm
[+1.5mm]
2067cc
[+72cc]
日産
SR20型
86.0mm
[+2.0mm]
2091cc
[+96cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:E33A型ギャランに搭載される4G63型1997ccの85.0mm、日産:NM35型ステージアに搭載されるVQ25型2495ccの85.0mm、日産:WYY61型サファリに搭載されるRD28型2825ccの85.0mm、三菱:P03W型デリカ スターワゴンに搭載されるG63B型1997ccの85.0mm、レクサス:VXFA50型ランドクルーザー300に搭載されるV35A型3444ccの85.5mm、日産:PNT30型シルビアに搭載されるSR20型1998ccの86.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2500rpm
最高出力
4000rpm
90.0mm7.5m/s12.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s22km/h
4000rpm12.0m/s43km/h
6000rpm18.0m/s65km/h
8000rpm24.0m/s86km/h
10000rpm30.0m/s108km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが90.0mmのエンジンが最高出力を発生する4000回転での平均ピストンスピードは12.0m/sとなり、これは1秒間に12.0メートル(時速にすると43.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2500回転では7.5m/s、最高出力が発生する4000回転より500回転高い4500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は13.5m/sとなっています。

参考までにストロークが90.0mmのB47D20型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.00m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6670回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


B47D20B型エンジンを搭載する車種の例

全7車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
BMW
VJ20
2020/06
X4
xDrive20d G02
[3DA-VJ20]
190PS
40.8kgm
14.0km/L
9.895kg/PS
ターボ
4WD/8AT
SUV
5人乗り
車両型式:3DA-VJ20

X4
[xDrive20d G02]
2020/06モデル
最高出力190PS
最大トルク40.8kgm
WLTCモード燃費14.0km/L
JC08モード燃費17.6km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りSUV
4WD/8AT
BMW
UZ20
2020/03
X3
xDrive20d xLine G01
[3DA-UZ20]
190PS
40.8kgm
14.0km/L
9.842kg/PS
ターボ
4WD/8AT
SUV
5人乗り
車両型式:3DA-UZ20

X3
[xDrive20d xLine G01]
2020/03モデル
最高出力190PS
最大トルク40.8kgm
WLTCモード燃費14.0km/L
JC08モード燃費16.6km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りSUV
4WD/8AT
BMW
5V20
2020/08
3シリーズ セダン
320d xDrive G20
[3DA-5V20]
190PS
40.8kgm
15.3km/L
8.842kg/PS
ターボ
4WD/8AT
セダン
5人乗り
車両型式:3DA-5V20

3シリーズ セダン
[320d xDrive G20]
2020/08モデル
最高出力190PS
最大トルク40.8kgm
WLTCモード燃費15.3km/L
JC08モード燃費18.9km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りセダン
4WD/8AT
BMW
JP20
2021/04
5シリーズ ツーリング
523d xDrive Standard G31 WLTC
[3DA-JP20]
190PS
40.8kgm
15.0km/L
9.684kg/PS
ターボ
4WD/8AT
ワゴン
5人乗り
車両型式:3DA-JP20

5シリーズ ツーリング
[523d xDrive Standard G31 WLTC]
2021/04モデル
最高出力190PS
最大トルク40.8kgm
WLTCモード燃費15.0km/L
JC08モード燃費17.4km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りワゴン
4WD/8AT
BMW
6L20
2019/11
3シリーズ ツーリング
320d xDrive Touring G21
[3DA-6L20]
190PS
40.8kgm
14.6km/L
9.105kg/PS
ターボ
4WD/8AT
ワゴン
5人乗り
車両型式:3DA-6L20

3シリーズ ツーリング
[320d xDrive Touring G21]
2019/11モデル
最高出力190PS
最大トルク40.8kgm
WLTCモード燃費14.6km/L
JC08モード燃費18.2km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りワゴン
4WD/8AT
BMW
JX20
2019/07
6シリーズ グランツーリスモ
623d Luxury G32
[3DA-JX20]
190PS
40.8kgm
15.8km/L
9.789kg/PS
ターボ
FR/8AT
セダン
5人乗り
車両型式:3DA-JX20

6シリーズ グランツーリスモ
[623d Luxury G32]
2019/07モデル
最高出力190PS
最大トルク40.8kgm
WLTCモード燃費15.8km/L
JC08モード燃費17.4km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りセダン
FR/8AT
BMW
JF20
2021/04
5シリーズ セダン
523d xDrive Standard G30 WLTC
[3DA-JF20]
190PS
40.8kgm
15.0km/L
9.211kg/PS
ターボ
4WD/8AT
セダン
5人乗り
車両型式:3DA-JF20

5シリーズ セダン
[523d xDrive Standard G30 WLTC]
2021/04モデル
最高出力190PS
最大トルク40.8kgm
WLTCモード燃費15.0km/L
JC08モード燃費17.4km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りセダン
4WD/8AT

その他のB47D20型エンジン型式と代表的な車種

B47D20A型
全4車種
BMW:5シリーズ セダン [523d G30]
最高出力190PS/最大トルク40.8kgm
2017/02モデル
BMW
B47D20A型
全4車種
5シリーズ セダン
[523d G30]
190PS/40.8kgm

BMW製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】