アウディ:DKL型エンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 999cc]

ここではアウディのGBDKL型・A1 スポーツバック [25 TFSI|2020/06モデル] に搭載されているDKL型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

DKL型のターボエンジン諸元


GBDKL型 A1 スポーツバック
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式3BA-GBDKL型
車名&グレードA1 スポーツバック
25 TFSI
エンジン型式DKL
種類直列3気筒
排気量999cc
内径×行程74.5mm×76.4mm
ボアストローク比1.03
単気筒容積333.0cc
圧縮比10.3
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力95PS/5000-5500rpm
最大トルク17.8kgm/2000-3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、DKL型エンジンはボア(内径)74.5mm、ストローク(行程)76.4mm、ボアストローク比1.03のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
DKLのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷49.7PS → 95PS
トルクの変遷17.8kgm → 12.4kgm
リッター馬力95.10PS/L
リッタートルク17.8kgm/L

今回の参考車両であるA1 スポーツバックの直列3気筒999cc、圧縮比10.3でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5000-5500回転のとき最高出力95馬力を、5000-5500回転のとき最大トルク17.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2000回転での馬力は49.7PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは12.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は95.10PS/L、トルクは17.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積333.0cc)あたりの馬力は31.7PS、トルクは5.9kgmです。

DKL型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 8 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
74.576.4999cc10.31.03
ボアアップによる排気量拡大
75.076.41013cc10.41.02
75.51026cc10.61.01
76.01040cc10.71.01
76.51053cc10.81.00
77.01067cc10.90.99
77.51081cc11.10.99
ストロークアップによる排気量拡大
74.577.41012cc10.41.04
78.41025cc10.61.05
79.41038cc10.71.07
80.41051cc10.81.08
81.41064cc10.91.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の74.5mmから0.5mm刻みで77.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の76.4mmから1mm刻みで81.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。DKL型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.03から0.99に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

DKL型エンジンのピストン径74.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが4件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G15型
75.5mm
[+1.0mm]
1026cc
[+27cc]
マツダ
S5型
76.0mm
[+1.5mm]
1040cc
[+41cc]
ダイハツ
CB型
76.0mm
[+1.5mm]
1040cc
[+41cc]
ダイハツ
CL型
76.0mm
[+1.5mm]
1040cc
[+41cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:Z27AG型コルト Ralliart-Rに搭載される4G15型1468ccの75.5mm、マツダ:DK5FW型CX-3に搭載されるS5型1498ccの76.0mm、ダイハツ:G100S型シャレードに搭載されるCB型993ccの76.0mm、ダイハツ:G101S型シャレードに搭載されるCL型993ccの76.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2000rpm
最高出力
5500rpm
76.4mm5.1m/s14.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.1m/s18km/h
4000rpm10.2m/s37km/h
6000rpm15.3m/s55km/h
8000rpm20.4m/s73km/h
10000rpm25.5m/s92km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが76.4mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは14.0m/sとなり、これは1秒間に14.0メートル(時速にすると50.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2000回転では5.1m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.3m/sとなっています。

参考までにストロークが76.4mmのDKL型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.10m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7850回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


DKL型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
アウディ
GBDKL
2020/06
A1 スポーツバック
25 TFSI
[3BA-GBDKL]
95PS
17.8kgm
15.2km/L
12.316kg/PS
ターボ
FF/7AT
ハッチバック
5人乗り
車両型式:3BA-GBDKL

A1 スポーツバック
[25 TFSI]
2020/06モデル
最高出力95PS
最大トルク17.8kgm
WLTCモード燃費15.2km/L
JC08モード燃費16.3km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りハッチバック
FF/7AT

その他のDKL型エンジン型式と代表的な車種

DKL型
全1車種
VW:ポロ [TSI Trendline]
最高出力95PS/最大トルク17.8kgm
2021/04モデル
フォルクスワーゲン
DKL型
全1車種
ポロ
[TSI Trendline]
95PS/17.8kgm

アウディ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】