アウディ:CHP型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1394cc]

ここではアウディの8UCHP型・Q3 [1.4TFSI|2014/08モデル] に搭載されているCHP型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

CHP型のターボエンジン諸元


8UCHP型 Q3
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-8UCHP型
車名&グレードQ3
1.4TFSI
エンジン型式CHP
種類直列4気筒
排気量1394cc
内径×行程74.5mm×80.0mm
ボアストローク比1.07
単気筒容積348.7cc
圧縮比10.0
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力150PS/5000-6000rpm
最大トルク25.5kgm/1500-3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、CHP型エンジンはボア(内径)74.5mm、ストローク(行程)80.0mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
CHPのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷53.4PS → 150PS
トルクの変遷25.5kgm → 17.9kgm
リッター馬力107.6PS/L
リッタートルク18.3kgm/L

今回の参考車両であるQ3の直列4気筒1394cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5000-6000回転のとき最高出力150馬力を、5000-6000回転のとき最大トルク25.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1500回転での馬力は53.4PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは17.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は107.6PS/L、トルクは18.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積348.7cc)あたりの馬力は37.5PS、トルクは6.4kgmです。

CHP型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 8 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
74.5mm80.0mm1394cc10.01.07
ボアアップによる排気量拡大
75.0mm80.0mm1414cc10.11.07
75.5mm1433cc10.31.06
76.0mm1452cc10.41.05
76.5mm1471cc10.51.05
77.0mm1490cc10.61.04
77.5mm1509cc10.71.03
ストロークアップによる排気量拡大
74.5mm81.0mm1412cc10.11.09
82.0mm1430cc10.21.10
83.0mm1447cc10.41.11
84.0mm1465cc10.51.13
85.0mm1482cc10.61.14

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の74.5mmから0.5mm刻みで77.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の80.0mmから1mm刻みで85.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。CHP型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.03に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

CHP型エンジンのピストン径74.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが4件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G15型
75.5mm
[+1.0mm]
1433cc
[+39cc]
ダイハツ
CB型
76.0mm
[+1.5mm]
1452cc
[+58cc]
ダイハツ
CL型
76.0mm
[+1.5mm]
1452cc
[+58cc]
マツダ
S5-DPTS型
76.0mm
[+1.5mm]
1452cc
[+58cc]

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1500rpm
最高出力
6000rpm
80.0mm4.0m/s16.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.3m/s19km/h
4000rpm10.7m/s39km/h
6000rpm16.0m/s58km/h
8000rpm21.3m/s77km/h
10000rpm26.7m/s96km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが80.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは16.0m/sとなり、これは1秒間に16.0メートル(時速にすると57.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1500回転では4.0m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.3m/sとなっています。

参考までにストロークが80.0mmのCHP型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.35m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7500回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


CHP型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
アウディ
8UCHP
2014/08
Q3
1.4TFSI
[ABA-8UCHP]
150PS
25.5kgm
17.4km/L
9.80kg/PS
ターボ
FF/6AT
SUV
5人乗り

Q3
[1.4TFSI]
2014/08モデル
車両型式ABA-8UCHP
最高出力150PS
最大トルク25.5kgm
JC08モード燃費17.4km/L
パワーウェイト9.80kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り

その他のCHP型エンジン型式と代表的な車種

CHP型
全1車種
VW:ゴルフ ヴァリアント [TSI HighLine]
最高出力140PS/最大トルク25.5kgm|2014/01モデル
CHP型
全1車種
VW:ゴルフ ヴァリアント
[TSI HighLine]
140PS/25.5kgm|2014/01