アウディ:CAX型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1389cc]

ここではアウディの8XCAX型・A1スポーツバック [1.4TFSI|2012/06モデル] に搭載されているCAX型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

CAX型のターボエンジン諸元


8XCAX型 A1スポーツバック
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-8XCAX型
車名&グレードA1スポーツバック
1.4TFSI
エンジン型式CAX
種類直列4気筒
排気量1389cc
内径×行程76.5mm×75.6mm
ボアストローク比0.99
単気筒容積347.5cc
圧縮比10.0
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力122PS/5000rpm
最大トルク20.4kgm/1500-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、CAX型エンジンはボア(内径)76.5mm、ストローク(行程)75.6mm、ボアストローク比0.99のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、CAX型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2011/01から発売された初代A1 [8XCAX型|2011/01]、最も新しい車種は2012/06から発売された初代A1スポーツバック [8XCAX型|2012/06]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は3車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
CAXのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷42.7PS → 122PS
トルクの変遷20.4kgm → 17.5kgm
リッター馬力87.8PS/L
リッタートルク14.7kgm/L

今回の参考車両であるA1スポーツバックの直列4気筒1389cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5000回転のとき最高出力122馬力を、5000回転のとき最大トルク20.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1500回転での馬力は42.7PS、最高出力が発生する5000回転でのトルクは17.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は87.8PS/L、トルクは14.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積347.5cc)あたりの馬力は30.5PS、トルクは5.1kgmです。

CAX型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、CAX型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのは8PCAX型A3の125PS/20.4kgm、最も小さかったのは8XCAX型A1スポーツバックの122PS/20.4kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
76.575.61389cc10.00.99
ボアアップによる排気量拡大
77.075.61408cc10.10.98
77.51426cc10.20.98
78.01445cc10.40.97
78.51464cc10.50.96
79.01482cc10.60.96
79.51501cc10.70.95
ストロークアップによる排気量拡大
76.576.61408cc10.11.00
77.61427cc10.21.01
78.61445cc10.41.03
79.61463cc10.51.04
80.61482cc10.61.05

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の76.5mmから0.5mm刻みで79.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の75.6mmから1mm刻みで80.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.99からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。CAX型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.99から0.95に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

CAX型エンジンのピストン径76.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが7件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
RB20型
78.0mm
[+1.5mm]
1445cc
[+56cc]
日産
HR12型
78.0mm
[+1.5mm]
1445cc
[+56cc]
日産
VG20型
78.0mm
[+1.5mm]
1445cc
[+56cc]
三菱
6A12型
78.4mm
[+1.9mm]
1460cc
[+71cc]
スバル
FB16型
78.8mm
[+2.3mm]
1475cc
[+86cc]
マツダ
S8型
79.0mm
[+2.5mm]
1482cc
[+93cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:HCR32型スカイライン クーペに搭載されるRB20型1998ccの78.0mm、日産:E12型ノートに搭載されるHR12型1198ccの78.0mm、日産:GF31型レパードに搭載されるVG20型1998ccの78.0mm、三菱:DE3A型FTOに搭載される6A12型1998ccの78.4mm、スバル:VM4型レヴォーグに搭載されるFB16型1599ccの78.8mm、マツダ:DK8FW型CX-3に搭載されるS8型1756ccの79.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1500rpm
最高出力
5000rpm
75.6mm3.8m/s12.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.0m/s18km/h
4000rpm10.1m/s36km/h
6000rpm15.1m/s54km/h
8000rpm20.2m/s73km/h
10000rpm25.2m/s91km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが75.6mmのエンジンが最高出力を発生する5000回転での平均ピストンスピードは12.6m/sとなり、これは1秒間に12.6メートル(時速にすると45.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1500回転では3.8m/s、最高出力が発生する5000回転より500回転高い5500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は13.9m/sとなっています。

参考までにストロークが75.6mmのCAX型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.05m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7940回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


CAX型エンジンを搭載する車種の例

全3車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
アウディ
8PCAX
2011/09
A3
SportBack-1.4TFSI
[DBA-8PCAX]
125PS
20.4kgm
18.4km/L
11.04kg/PS
ターボ
FF/7AT
ハッチバック
5人乗り

A3
[SportBack-1.4TFSI]
2011/09モデル
車両型式DBA-8PCAX
最高出力125PS
最大トルク20.4kgm
10-15モード燃費18.4km/L
パワーウェイト11.04kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/7AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
アウディ
8XCAX
2012/06
A1スポーツバック
1.4TFSI
[DBA-8XCAX]
122PS
20.4kgm
17.8km/L
10.00kg/PS
ターボ
FF/7AT
ハッチバック
5人乗り

A1スポーツバック
[1.4TFSI]
2012/06モデル
車両型式DBA-8XCAX
最高出力122PS
最大トルク20.4kgm
JC08モード燃費17.8km/L
10-15モード燃費18.4km/L
パワーウェイト10.00kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/7AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
アウディ
8XCAX
2011/01
A1
1.4TFSI
[DBA-8XCAX]
122PS
20.4kgm
19.4km/L
9.75kg/PS
ターボ
FF/7AT
ハッチバック
4人乗り

A1
[1.4TFSI]
2011/01モデル
車両型式DBA-8XCAX
最高出力122PS
最大トルク20.4kgm
JC08モード燃費17.8km/L
10-15モード燃費19.4km/L
パワーウェイト9.75kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/7AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/4人乗り

その他のCAX型エンジン型式と代表的な車種

CAX型
全5車種
VW:パサート ヴァリアント [TSI High-line]
最高出力122PS/最大トルク20.4kgm
2011/05モデル
フォルクスワーゲン
CAX型
全5車種
パサート ヴァリアント
[TSI High-line]
122PS/20.4kgm

アウディ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】