アウディ:BZB型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1798cc]

ここではアウディの8PBZB型・A3 [SportBack-1.8TFSI|2007/08モデル] に搭載されているBZB型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

BZB型のターボエンジン諸元


8PBZB型 A3
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-8PBZB型
車名&グレードA3
SportBack-1.8TFSI
エンジン型式BZB
種類直列4気筒
排気量1798cc
内径×行程82.5mm×84.1mm
ボアストローク比1.02
単気筒容積449.6cc
圧縮比9.8
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力160PS/5000-6100rpm
最大トルク25.5kgm/1500-4200rpm

まず基本的な成り立ちとして、BZB型エンジンはボア(内径)82.5mm、ストローク(行程)84.1mm、ボアストローク比1.02のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
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過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
BZBのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷53.4PS → 160PS
トルクの変遷25.5kgm → 18.8kgm
リッター馬力89.0PS/L
リッタートルク14.2kgm/L

今回の参考車両であるA3の直列4気筒1798cc、圧縮比9.8でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5000-6100回転のとき最高出力160馬力を、5000-6100回転のとき最大トルク25.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1500回転での馬力は53.4PS、最高出力が発生する6100回転でのトルクは18.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は89.0PS/L、トルクは14.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積449.6cc)あたりの馬力は40.0PS、トルクは6.4kgmです。

BZB型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.5mm84.1mm1798cc9.81.02
ボアアップによる排気量拡大
83.0mm84.1mm1820cc9.91.01
83.5mm1842cc10.01.01
84.0mm1864cc10.11.00
84.5mm1886cc10.21.00
85.0mm1909cc10.30.99
85.5mm1931cc10.50.98
ストロークアップによる排気量拡大
82.5mm85.1mm1820cc9.91.03
86.1mm1841cc10.01.04
87.1mm1862cc10.11.06
88.1mm1884cc10.21.07
89.1mm1905cc10.31.08

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.5mmから0.5mm刻みで85.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の84.1mmから1mm刻みで89.1mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。BZB型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.02から0.98に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

BZB型エンジンのピストン径82.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが9件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
M9R型
84.0mm
[+1.5mm]
1864cc
[+66cc]
日産
CD20ET型
84.5mm
[+2.0mm]
1886cc
[+88cc]
日産
CD20ETi型
84.5mm
[+2.0mm]
1886cc
[+88cc]
日産
CD20T型
84.5mm
[+2.0mm]
1886cc
[+88cc]
日産
VQ25DET型
85.0mm
[+2.5mm]
1909cc
[+111cc]
日産
RD28ETi型
85.0mm
[+2.5mm]
1909cc
[+111cc]

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1500rpm
最高出力
6100rpm
84.1mm4.2m/s17.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.6m/s20km/h
4000rpm11.2m/s40km/h
6000rpm16.8m/s60km/h
8000rpm22.4m/s81km/h
10000rpm28.0m/s101km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが84.1mmのエンジンが最高出力を発生する6100回転での平均ピストンスピードは17.1m/sとなり、これは1秒間に17.1メートル(時速にすると61.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1500回転では4.2m/s、最高出力が発生する6100回転より500回転高い6600回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.5m/sとなっています。

参考までにストロークが84.1mmのBZB型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.60m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7130回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


BZB型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
アウディ
8PBZB
2007/08
A3
SportBack-1.8TFSI
[ABA-8PBZB]
160PS
25.5kgm
13.0km/L
9.13kg/PS
ターボ
FF/6AT
ハッチバック
5人乗り

A3
[SportBack-1.8TFSI]
2007/08モデル
車両型式ABA-8PBZB
最高出力160PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費13.0km/L
パワーウェイト9.13kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り

その他のBZB型エンジン型式と代表的な車種

BZB型
全2車種
VW:パサート ヴァリアント [TSI Comfort-line]
最高出力160PS/最大トルク25.5kgm|2009/01モデル
BZB型
全2車種
VW:パサート ヴァリアント
[TSI Comfort-line]
160PS/25.5kgm|2009/01