アウディ:BVY型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1984cc]

ここではアウディの8PBVY型・A3 [SportBack-2.0FSI|2007/01モデル] に搭載されているBVY型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

BVY型の自然吸気エンジン諸元


8PBVY型 A3
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GH-8PBVY型
車名&グレードA3
SportBack-2.0FSI
エンジン型式BVY
種類直列4気筒
排気量1984cc
内径×行程82.5mm×92.8mm
ボアストローク比1.12
単気筒容積496.1cc
圧縮比11.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力150PS/6000rpm
最大トルク20.4kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、BVY型エンジンはボア(内径)82.5mm、ストローク(行程)92.8mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
BVYのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷99.7PS → 150PS
トルクの変遷20.4kgm → 17.9kgm
リッター馬力75.6PS/L
リッタートルク10.3kgm/L

今回の参考車両であるA3の直列4気筒1984cc、圧縮比11.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力150馬力を、6000回転のとき最大トルク20.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は99.7PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは17.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は75.6PS/L、トルクは10.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積496.1cc)あたりの馬力は37.5PS、トルクは5.1kgmです。

BVY型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 8 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.5mm92.8mm1984cc11.51.12
ボアアップによる排気量拡大
83.0mm92.8mm2008cc11.61.12
83.5mm2033cc11.81.11
84.0mm2057cc11.91.10
84.5mm2082cc12.01.10
85.0mm2106cc12.21.09
85.5mm2131cc12.31.09
ストロークアップによる排気量拡大
82.5mm93.8mm2006cc11.61.14
94.8mm2027cc11.71.15
95.8mm2048cc11.81.16
96.8mm2070cc12.01.17
97.8mm2091cc12.11.19

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.5mmから0.5mm刻みで85.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の92.8mmから1mm刻みで97.8mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。BVY型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.09に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

BVY型エンジンのピストン径82.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが39件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
6G73型
83.5mm
[+1.0mm]
2033cc
[+49cc]
マツダ
PE-VPR[RS]型
83.5mm
[+1.0mm]
2033cc
[+49cc]
マツダ
PE-VPH型
83.5mm
[+1.0mm]
2033cc
[+49cc]
マツダ
PE-VPR型
83.5mm
[+1.0mm]
2033cc
[+49cc]
マツダ
PE-VPS型
83.5mm
[+1.0mm]
2033cc
[+49cc]
スズキ
H25A型
84.0mm
[+1.5mm]
2057cc
[+73cc]

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6000rpm
92.8mm10.8m/s18.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.2m/s22km/h
4000rpm12.4m/s45km/h
6000rpm18.6m/s67km/h
8000rpm24.7m/s89km/h
10000rpm30.9m/s111km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが92.8mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは18.6m/sとなり、これは1秒間に18.6メートル(時速にすると67.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では10.8m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.1m/sとなっています。

参考までにストロークが92.8mmのBVY型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.17m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6470回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


BVY型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
アウディ
8PBVY
2007/01
A3
SportBack-2.0FSI
[GH-8PBVY]
150PS
20.4kgm
12.6km/L
9.53kg/PS
自然吸気
FF/6AT
ハッチバック
5人乗り

A3
[SportBack-2.0FSI]
2007/01モデル
車両型式GH-8PBVY
最高出力150PS
最大トルク20.4kgm
10-15モード燃費12.6km/L
パワーウェイト9.53kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り

その他のBVY型エンジン型式と代表的な車種

BVY型
全6車種
VW:ゴルフ トゥーラン [GLi]
最高出力150PS/最大トルク20.4kgm|2007/01モデル
BVY型
全6車種
VW:ゴルフ トゥーラン
[GLi]
150PS/20.4kgm|2007/01