アルファロメオ:960A1型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1742cc]

ここではアルファロメオの96018型・4C [Launch Edition|2014/07モデル] に搭載されている960A1型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

960A1型のターボエンジン諸元


96018型 4C
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-96018型
車名&グレード4C
Launch Edition
エンジン型式960A1
種類直列4気筒
排気量1742cc
内径×行程83.0mm×80.5mm
ボアストローク比0.97
単気筒容積435.5cc
圧縮比9.2
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力240PS/6000rpm
最大トルク35.7kgm/2100-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、960A1型エンジンはボア(内径)83.0mm、ストローク(行程)80.5mm、ボアストローク比0.97のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、960A1型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2014/07から発売された初代4C [96018型|2014/07]、最も新しい車種は2015/11から発売された初代4Cスパイダー [96018型|2015/11]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は2車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
960A1のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷104.7PS → 240PS
トルクの変遷35.7kgm → 28.7kgm
リッター馬力137.8PS/L
リッタートルク20.5kgm/L

今回の参考車両である4Cの直列4気筒1742cc、圧縮比9.2でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、6000回転のとき最高出力240馬力を、6000回転のとき最大トルク35.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2100回転での馬力は104.7PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは28.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は137.8PS/L、トルクは20.5kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積435.5cc)あたりの馬力は60.0PS、トルクは8.9kgmです。

960A1型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 9 ]、換算トルクが[ 10 ]の「かなりの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.080.51742cc9.20.97
ボアアップによる排気量拡大
83.580.51763cc9.30.96
84.01784cc9.40.96
84.51806cc9.50.95
85.01827cc9.60.95
85.51849cc9.70.94
86.01870cc9.80.94
ストロークアップによる排気量拡大
83.081.51764cc9.30.98
82.51785cc9.40.99
83.51807cc9.51.01
84.51829cc9.61.02
85.51850cc9.71.03

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.0mmから0.5mm刻みで86.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の80.5mmから1mm刻みで85.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.97からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。960A1型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.97から0.94に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

960A1型エンジンのピストン径83.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが23件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
M9R型
84.0mm
[+1.0mm]
1784cc
[+42cc]
日産
CD20型
84.5mm
[+1.5mm]
1806cc
[+64cc]
三菱
4G63型
85.0mm
[+2.0mm]
1827cc
[+85cc]
日産
VQ25型
85.0mm
[+2.0mm]
1827cc
[+85cc]
日産
RD28型
85.0mm
[+2.0mm]
1827cc
[+85cc]
三菱
G63B型
85.0mm
[+2.0mm]
1827cc
[+85cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:DNT31型エクストレイルに搭載されるM9R型1995ccの84.0mm、日産:SW11型ラルゴに搭載されるCD20型1973ccの84.5mm、三菱:CT9A型ランサーエボリューションに搭載される4G63型1997ccの85.0mm、日産:NM35型ステージアに搭載されるVQ25型2495ccの85.0mm、日産:WYY61型サファリに搭載されるRD28型2825ccの85.0mm、三菱:P03W型デリカ スターワゴンに搭載されるG63B型1997ccの85.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2100rpm
最高出力
6000rpm
80.5mm5.6m/s16.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.4m/s19km/h
4000rpm10.7m/s39km/h
6000rpm16.1m/s58km/h
8000rpm21.5m/s77km/h
10000rpm26.8m/s96km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが80.5mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは16.1m/sとなり、これは1秒間に16.1メートル(時速にすると58.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2100回転では5.6m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.4m/sとなっています。

参考までにストロークが80.5mmの960A1型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.35m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7450回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


960A1型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
アルファロメオ
96018
2014/07
4C
Launch Edition
[ABA-96018]
240PS
35.7kgm
12.1km/L
4.58kg/PS
ターボ
MR/6AT
クーペ
2人乗り

4C
[Launch Edition]
2014/07モデル
車両型式ABA-96018
最高出力240PS
最大トルク35.7kgm
JC08モード燃費12.1km/L
パワーウェイト4.58kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機MR/6AT
車体形状&乗車定員クーペ/2人乗り
アルファロメオ
96018
2015/11
4Cスパイダー
BaseGrade
[ABA-96018]
240PS
35.7kgm
12.1km/L
4.42kg/PS
ターボ
MR/6AT
オープンカー
2人乗り

4Cスパイダー
[BaseGrade]
2015/11モデル
車両型式ABA-96018
最高出力240PS
最大トルク35.7kgm
JC08モード燃費12.1km/L
パワーウェイト4.42kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機MR/6AT
車体形状&乗車定員オープンカー/2人乗り

アルファロメオ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】