アルファロメオ:936A型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 3178cc]

ここではアルファロメオの93732L型・アルファGT [3.2-V6 24V|2004/06モデル] に搭載されている936A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

936A型の自然吸気エンジン諸元


93732L型 アルファGT
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GH-93732L型
車名&グレードアルファGT
3.2-V6 24V
エンジン型式936A
種類V型6気筒
排気量3178cc
内径×行程93.0mm×78.0mm
ボアストローク比0.84
単気筒容積529.8cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力240PS/6200rpm
最大トルク29.4kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、936A型エンジンはボア(内径)93.0mm、ストローク(行程)78.0mm、ボアストローク比0.84のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
936Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷197.0PS → 240PS
トルクの変遷29.4kgm → 27.7kgm
リッター馬力75.5PS/L
リッタートルク9.2kgm/L

今回の参考車両であるアルファGTのV型6気筒3178cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6200回転のとき最高出力240馬力を、6200回転のとき最大トルク29.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は197.0PS、最高出力が発生する6200回転でのトルクは27.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は75.5PS/L、トルクは9.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積529.8cc)あたりの馬力は40.0PS、トルクは4.9kgmです。

936A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
93.078.03178cc10.50.84
ボアアップによる排気量拡大
93.578.03213cc10.60.83
94.03248cc10.70.83
94.53282cc10.80.83
95.03317cc10.90.82
95.53352cc11.00.82
96.03387cc11.10.81
ストロークアップによる排気量拡大
93.079.03220cc10.60.85
80.03261cc10.70.86
81.03301cc10.90.87
82.03342cc11.00.88
83.03383cc11.10.89

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の93.0mmから0.5mm刻みで96.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の78.0mmから1mm刻みで83.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.84からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。936A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.84から0.81に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

936A型エンジンのピストン径93.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが20件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
2GR型
94.0mm
[+1.0mm]
3248cc
[+70cc]
レクサス
2UR型
94.0mm
[+1.0mm]
3248cc
[+70cc]
レクサス
1UR型
94.0mm
[+1.0mm]
3248cc
[+70cc]
スバル
FB25型
94.0mm
[+1.0mm]
3248cc
[+70cc]
トヨタ
1GR型
94.0mm
[+1.0mm]
3248cc
[+70cc]
トヨタ
2UZ型
94.0mm
[+1.0mm]
3248cc
[+70cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:GSU30W型マークXに搭載される2GR型3456ccの94.0mm、レクサス:UWG60型センチュリーに搭載される2UR型4968ccの94.0mm、レクサス:USF40型ランドクルーザーに搭載される1UR型4608ccの94.0mm、スバル:SK9型フォレスターに搭載されるFB25型2498ccの94.0mm、トヨタ:GSJ15W型FJクルーザーに搭載される1GR型3955ccの94.0mm、トヨタ:UZJ200W型ランドクルーザーに搭載される2UZ型4663ccの94.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6200rpm
78.0mm12.5m/s16.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.4m/s37km/h
6000rpm15.6m/s56km/h
8000rpm20.8m/s75km/h
10000rpm26.0m/s94km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが78.0mmのエンジンが最高出力を発生する6200回転での平均ピストンスピードは16.1m/sとなり、これは1秒間に16.1メートル(時速にすると58.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では12.5m/s、最高出力が発生する6200回転より500回転高い6700回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.4m/sとなっています。

参考までにストロークが78.0mmの936A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.20m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7690回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


936A型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
アルファロメオ
93732L
2004/06
アルファGT
3.2-V6 24V
[GH-93732L]
240PS
29.4kgm
-
5.96kg/PS
自然吸気
FF/6MT
クーペ
5人乗り

アルファGT
[3.2-V6 24V]
2004/06モデル
車両型式GH-93732L
最高出力240PS
最大トルク29.4kgm
パワーウェイト5.96kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員クーペ/5人乗り

アルファロメオ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】